おまけ:敗因分析
この旅行は失敗だった。当初の目的はインド一周だったが、半分しか回ってない。というか、もはや旅行の体をなしていない。インド6日目で病気になったが、それで事実上旅行は終わっている。後はツライだけだった。
病気の原因だが、通常健康な人なら腸チフス菌や他の病原菌には感染しない。俺の場合6日目まで毎日街を歩きまわって、体力を消耗してしまったことが大きい。また、値段交渉などストレスが溜まっていたと思う。それで免疫力が落ちている時に変なもの(生ジュースが怪しい)を飲食して発病したのだと思う。
当時の俺は健康には自信があったが、過信しすぎていた。でもそれって結果論であって、自分の限界などは実際そこにぶつかるまで分からない。健康を過信するということは人生経験が不足していたということだ。
また、デリーで発病した時も寝てれば治ると思っていたが、あの時病院に行っていれば完治していたかもしれない。判断ミスだ。
さらに、英語力不足も問題を大きくしてしまった。英語が出来ればインドの病院でもっとうまくコミュニケーションがとれて事態は良くなったかもしれない。例えばシビンにうんこして怒られることもなかったかもしれない。
あとは全般的に人に頼りすぎだ。もうちょっと自分のことは自分でやれよと、今になって感じる。全てにおいて力不足だった。
力不足と、さらに金不足だった側面もある。旅行中に資金が尽きたわけではないが、それほど豊富でもなかったので、全体的にケチケチしすぎた。キリシャーやタクシーの値段交渉は頑張りすぎて体力と気力を摩耗した。資金に余裕があればもっと大らかな対応ができて快適に過ごせたのだが。
以上のような反省点を踏まえて、2回目のインド旅行に出かけた。
健康に関しては過剰なほど気をつけた。一日中あくせく観光することはなく、昼寝をするなど休養を意識して取った。当然だが、生ジュース、生野菜は絶対にとらなかった。
英語力に関しては少し向上した程度だが、その場の空気を読んで判断するレベルは上がっていた。細かい話は出来ないが、英語で致命的に困ったことは一度もなかった。
金は社会人なのでそれなりに持っていた。国際キャッシュカードには日本までファーストクラスで帰れるぐらいの金は入っていた。あらゆる値段交渉は面倒くさいのでよほどでない限り気前よくボッタクられてやった。これでストレスは随分と少なくなった。
1回目の旅行の失敗から学んだおかげで2回目の旅行では大きなトラブルには遭わなかった。
また、1回目の旅行では多くの人に世話になった(あるいは迷惑をかけた)ことに対し恥じていたが、2回目では特に迷惑をかけたことはなく、どちらかと言えば世話をしたぐらいだ。これもリベンジを果たした。