12月25日:(最終話)青春の先には…





PM2時頃成田に到着した。前回の旅行では別室に連れて行かれ荷物チェックをされたが、今回はそれもなかった。その後俺は国内線で小松空港に向かうが、それまでに時間がたっぷりあるので、雑誌を買って読んでいた。久しぶりの日本の情報だ。気になっていたのが衆院選で、やっぱり自民党が圧勝したか。3週間だけだが、日本は動いていた。
とはいっても、特に懐かしいという気持ちはない。前回みたいに日本食を食べたいとかいうのもない。ごく自然体だ。それにしても感情の起伏がなさすぎる。これが大人になるということならつまらない。

夜8時前に小松空港到着。外は雪が積もっていて、その時には冷たい雨が降っていた。激寒である。ニューデリーの寒さとは比較にならない。しかし、もう一息と頑張って無事10時前に金沢のアパートにたどり着いた。部屋も空き巣にはいられるとかの波乱はなくて無事だった。

体重計に乗ると71kgだった体重が67kgになってた。4kgも痩せた。スゴイ。旅行後半はあまり食べなくても腹が減らない体になっており食事の量がかなり減っていたのが効いた。
そして、3週間まったく酒を飲まなかった。アル中気味だった俺にとってこれは快挙。そしてこの晩、久々に飲んだ。しかし、肝臓の調子が良すぎたのか、あまり酔えなかった。

とにかく、俺は勝った。完全勝利だ、見たか!と言いたいところだが、実はちょっぴり虚しい。

21歳の頃と違って、今の俺は色々なことをスマートにこなすことが出来る。今回の旅でも大きなトラブルはなかったし、小さなトラブルもすべて乗り越えられた。13年も経つし成長していて当たり前なのだが、しかし逆に、あの頃の俺に出来て今は出来なくなっていることだってある。

まず、今の俺には、蓄えた知識と経験などが、ものを見る目にフィルターをかけてしまっている。大体の出来事は想定内になるので、いちいち反応しない。あの頃のように一つ一つの出来事にいちいち怒ったり感動したり出来ない。
そして、歳を取ると勢いがなくなって、何をするのも面倒くさくなってしまう。何もしないと安全だが、得られる感動もない。

思うのだが、インド旅行をするにも「旬」がある。俺みたいなオッサンが行っても無駄ではないが、やっぱり若い頃のほうが得られるものが多いと思う。
昔の俺みたいに病気になったりトラブルに遭うかもしれないけど、ああいう旅はもう今は出来ない。あの頃のトラブルも、今の俺ならすべて上手く解決可能というか、そういう事態にならないように事前に気をつけるので、トラブルにすらならない。

ある意味、未熟さというのは武器だと思う。何も知らず、何も出来ない状況が冒険を生み出す。もちろんそれは危険をおかすことになるが、それと引換に得られるものも多い。
そして、未熟だけど勇気を振り絞って挑んで、時には打ちのめされながらも学び、成長していく。それができるのは若者の特権だと思う。

今の俺にはもうそんな「冒険」ができない。それを虚しく思う。
そのかわり、これからインド旅行を志す若者にエールを送りたい。

今しかできないことって、絶対にある。インドに興味があるなら、後回しにしないで、勇気を出して行って欲しい。
世の中には2種類の人間がいるという。インドに行ったことのある人間と、行かなかった人間だ。是非、インドに行ったことのある人間になってほしい。はっきり言ってめちゃくちゃな国だ。若いうちなら大いに刺激を受け、物の見方が変わるはずだ。自分の常識、あるいは日本の常識が絶対的なものではないと気づくはずだ。

わけが分からないかもしれないが、行けば分かる。

行って打ちのめされてこい。

(完)

P.S
いろいろ書いたが、面倒くさいと言いつつも、またいつかインドに行くと思う。行ってもツライ思いをするだけなのに不思議だね。


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