2月21日:最強の助っ人
朝7時半にホテルをチェックアウトした。
うんこをしたくなったが、まだ尻を手で拭く覚悟が出来なかったので、トイレットペーパーのあるタージマハルホテルのトイレに行ってしてきた。
今日はチャーチゲート駅に行って、ニューデリー行きの電車の切符を買って、今日中に出発するつもりである。
おおよそ、4kmぐらいの道のりを1時間ぐらい歩いて到着した。しかし、外人用チケットオフィスが見当たらない。その周辺を2,3時間ウロウロしたが、発見できなかった。結局通りすがりの日本人旅行者から、ここはチャーチゲート駅ではなくビクトリア駅であると教えられた。要するに僕は道を間違えたのだ。仕方ないのでまたチャーチゲート駅に向かって歩き出した時、タクシーのドライバーが話しかけてきた。チャーチゲートまでRs80で行くがどうだ?と言ったが、僕はRs30ならいいと答えた。するとドライバーは話にならんという感じで去っていった。そして目的地まで再び歩いて行った。
結局チャーチゲート駅に歩いてたどり着いたのは12時過ぎだった。暑い中、長時間歩いてクタクタになった。
しかし、そこで日本人旅行者のNさんと出会った。歳は40歳ちょっと、日に焼け、少し髭を生やしている、ワイルドな感じの人だった。話しているうちに一緒にニューデリーまで行こうということになった。おそらく疲れきった僕があまりに情けない様子だったので、温情をかけてくれたのだろう。
彼にチケットも買ってもらったが、今日の切符は取れず。そのかわり明日の11時35分の3段寝台車の切符がとれた。
その後2人で、というか僕は彼の後をついていっただけなのだが、今日泊まるホテルを探した。まずタクシーに乗ってムンバイセントラルに行き、その周辺にあるリポンパレスというホテルに泊まることにした。エアコン・テレビ付きの部屋で、狭いが快適だった。
そして、2人で飯を食べに行った。マトンの焼き飯と、チキンカレーみたいなやつと、チャパティーを食べた。チャーイも飲んだ。美味かった。というか初インド飯で感動した。
切符を買い、レストランで飯を食べるというのは僕にとって大きな関門だったが、やすやすとクリアーしてしまった。と言ってもNさんについていっただけなのだが。
そして、彼の旅慣れた行動は僕からすれば、とてもかっこよく見えた。自分もこの旅が終わる頃、彼みたいになっていたらいいなと思った。
まあ、とにかく今日やることは全てやった。このままエアコンの効いた部屋で寝ていても良かったが、せっかくなので外をウロウロとしてきた。初めて荷物をおいて街を歩いた。すると街がこれまでより広くはっきりと見えた。今日の午前中は重い荷物を背負って長時間歩いたが、街の景色を眺める余裕なんてなかった。
マジで午前中はどうなることかと思ったが、Nさんと出会えて本当に良かった。
【13年後のつぶやき】
結果オーライの感じになっているが、この日俺は大きな間違いを犯している。
まだ旅行2日目なのに体力を使い過ぎているのがいけない。肉体的にも精神的にもクタクタになっているが、それはできれば避けるべき事態である。
やはり、タクシーを使うべきだった。そうすれば違う駅に行く事もなく、体力も精神力もセーブしたまま、すぐに駅にたどり着いたはずだ。また、ビクトリア駅でタクシードライバーに話しかけられた場面では、下手な値段交渉すべきではなかった。日本で読んだインド旅行記ではタクシーやリキシャーは激しくぼったくってくることがクドイぐらいに書いてあったので、初めからタクシードライバーに対してかなり身構えていた。絶対に2倍以上ふっかけていると、根拠無く思っていた。ビクトリア駅からチャーチゲート駅の距離からして、当時のRs80という料金は高いんじゃないかと思うが、今の俺なら、別のタクシードライバーに当ってみる。全員Rs80と言えば仕方なく乗るだろう。でも当時はタクシーの値段交渉も多大なストレスだったし、それなら歩いたほうがいいというのは俺らしい判断でもあった。