2月22日:2人旅は楽しい
リポンパレスはなんかヤクザなホテルだった。チェックアウト時間よりかなり早くに出ろとか言われるし、昨日代金は支払ったのにまた支払えとか言ってきた。しかし、そんなトラブル処理もNさんがやってくれたので僕は安心していられた。
ホテルを出た後、軽く朝食を食べて、水とお菓子を買って電車に乗り込んだ。電車は定刻より10分遅れの11時45分に出発した。僕にとって初のインド電車の経験だったので嬉しかった。電車の中では彼と色々話をした。彼のちょいワルな話は面白かった。
また、「キミ、初の海外一人旅でインド選ぶなんて偉いよ!」なんておだてられて僕はご満悦だった。
まだ若い僕からは面白い話は出来なかったけど、彼からすれば何を経験しても感動するインド初心者の反応が面白かったのだろうと思う。
窓の景色を見て「いやー、どこまでも続く大地がいかにもインドって感じでいいっすねー」などと僕がはしゃぐのを彼は暖かく見守ってくれた。
また、この日はすべて彼におごってもらった。ありがたい、神のようなお人だ。
しかし、彼とはデリーでお別れだ。今日は彼に全部やってもらったが、明日からは一人で何でもこなさなくてはいけない。それを考えるとまた緊張してくるが、彼と同じように振る舞えばいいのだ。良いお手本から学べてラッキーだ。
今日は初電車を経験した。昨晩は初めて尻を手で拭いた。次々に難関を突破している。旅は順調だった。
【13年後のつぶやき】
今になってNさんの気持ちがわかる。刺激に慣れすぎて感動できなくなった自分に代わって大げさに感動してくれる人が傍にいて、Nさんも嬉しかったのだろうと思う。そして、なんでもかんでも無邪気に喜ぶ俺を見て、かつての自分を思い出したのかもしれない。