3月11-14日:カルカッタにて
3月11日。結局ハウラー駅(カルカッタ)に到着したのは定刻より7時間遅れだった。朝7時半に着く予定だったが、結局2時半になってしまった。
インドに来た当初の元気いっぱいの僕ならここから安宿街のサダルストリートまで歩いて行っただろうが、もうそんな体力がないのでタクシーで行った。
カルカッタはゴミと乞食だらけの世界最悪の都市という話を聞いていたが、サダルストリートは想像していたよりもキレイだった。デリーのメインバザールよりも静かで乞食も少ないように見えた。
サダルストリートには3時頃到着したのだが、ホテルがどこも満員で困った。結局客引きに連れて行かれたのが中華料理店の2階にある部屋だった。ホテルなのかどうかも怪しいところだが、とりあえず今日はここに泊まって、翌日は別の部屋を探そうと思った。
荷物を置いて外を散歩する。いつもそうだが、街についてホテルが決まった後は視界が違う。気持ちのゆとりが違う。
体調は悪いが、カルカッタには数日滞在して体力を回復させようとした。
翌日、予定通り別のホテルに移った。比較的綺麗なホテルのドミトリーにした。部屋には人が多く、日本人も多かった。僕は2段ベッドの上の段になった。
しかしこの日、もう僕は限界に近かった。頭のどこかがおかしくなったのか、平衡感覚が狂って真っ直ぐ歩くことができなくなった。真っ直ぐ歩いているつもりなのになぜか横にある壁に正面衝突したりしていた。外に出るときは壁に手をついて歩いていた。でないと車道に飛び出してしまうかもしれないからだ。
そんな調子だから、カルカッタでは何も観光ができなかった。飯や買い物以外はホテルでずっと寝ていた。
【13年後のつぶやき】
カルカッタは現在ではコルカタと名称変更されているが、当時はまだカルカッタだった。
実は当時書いていた日記は3月11日で途切れている。次の日付は4月27日、日本の病院を退院した後だ。あの時、もう日記を書く元気すら残ってなかったのだ…。
しかし、退院した後に、カルカッタでの出来事を簡単にまとめて書いていたメモがあるので、それと記憶を頼りにこれ以降の出来事を書いていく。