3月29日:炎のデカン高原横断





kol-munカルカッタ→ムンバイ間はデカン高原を横断する約2000kmの道のりである。電車はかなりの長丁場になった。
電車の中ではずっと寝台に横になっていた。寝たかったが昼間は暑くて寝れなかった。あまりに外が暑いので窓は閉め切っていた。気温は体温を上回ったいたはずだ。暑さに強いはずのインド人もぐったりしていた。
下痢は治っておらず、出来ればトイレに行きたくないから水分は取りたくなかったが、のどが渇いて仕方なかった。しかし、コーラ2本を連続で飲んだが、それでも小便が出なかった。それぐらい暑くて汗が出ていた。
途中、焼畑農業でもやっているのか、煙の中に電車が突入した。そしたら炎がドアから入ってきた。数秒のことだったがかなり熱かった。
横になっているだけなのだが、それだけで残り少ない体力がますます削られていく。とにかく早く着いてくれと願い続けていた。

ムンバイに到着したのは深夜になってからだった。よろよろと電車を降りたが、それからホテルを探す元気はあろうはずがなかった。
駅内の床では大勢の乞食のような人が大勢寝ていたが、僕もその人たちに混じって寝ることにした。
しかし、しばらくして警官がやってきて、棒で靴の底を叩かれた。ここで寝るなという事らしい。周囲の人達と同じく、僕も移動して別の場所で寝ようとした。しかし、また警官がやってきて叩かれた。
仕方ないので椅子に座って、リュックを抱えて一晩時間が過ぎるのをじっと待った。

【13年後のつぶやき】
退院してからも苦難は続いた。絶対生きて日本に帰るという執念がなかったら力尽きていただろう。

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