3月5-7日:クミコハウスでの生活(前編)





varanasi3月5日。昨日は寝ていたせいで少し体力は回復した。別の宿に行きたかったので、腹の調子を気にしながらクミコハウスに移った。クミコハウスはクミコさんという日本人女性が経営する地球の歩き方にも載ってる有名な日本人宿だ。ここのドミトリーに泊まることになったがベッドは空いてなかったので床のマットが僕の場所となった。朝晩飯付きでRs80という破格の値段だった。ここでしばらく休養して体調を回復させてカルカッタに移動する予定だ。
ここには日本語の本があって、そのほとんどが宗教の本(幸福の科学、創価学会、密教など)で、マンガも少しあった。退屈しのぎになるのでのんびり過ごすにはピッタリだ。
しかし、ドミトリーなので便所は共用。そこで頻繁にブリブリ音を立てうんこをするのはちょっと恥ずかしかった。

ところで、ここの食事は日本食もどきだ。日本食みたいに見えるが、うーん、何だかなあ~、という味。一口目はまあまあ美味しいのだが、とにかく腹は膨れる。
それと、ここの宿泊者の大半は日本人なのだが、ここで他の人の話を聞くことは旅行者として参考になった。といっても、自分はほとんど会話に参加せず、人の会話を聞いてるだけだったのだが。僕には話すようなネタはあまりなかったし、体がだるかったので部屋にいるときはずっとしんどそうに寝ていたから、あまり話しかけられなかった。
そして、このクミコハウス、風通しが良いので昼間は気持ちがいい。これまでの安宿になかったことだ。
とにかく、僕はここが気に入った。

3月6日。クミコさんに薬をもらってゆっくりしていたら、少し体調が回復した。下痢もすこしマシになった。
昼になって火葬場に行った。しばらくすると変な連中がやってきて金を要求されたので帰ってきた。夕方、もう一度行ったら、今度は変なオッサンが薪代よこせとしつこく言い寄ってきた。適当にのらりくらりとかわしていたら最後にはキレだして「次来たらお前を殺す」と言われた。別の場所に移動すると、今度は変な奴はいなかったのでしばらくそこで見物していた。しかし、長時間火葬場を見ることはダメらしく、その場にいたおじさんに注意されたので帰ってきた。

3月7日。特に何をするでもなく、一日のほとんどを部屋でだらだらしていた。ボトルウォーターを買いに行ったのだが、だまされた。キャップが開封されたやつを渡された。水を口に含んでみるとすこし変な味がした。多分これは水道水だ。またしてもインド人に対する不信感が増大した。

【13年後のつぶやき】
クミコハウスは現在では地球の歩き方には載っていない。しかし、まだ現存しているようである。
ここは有名な日本人宿で、日本人旅行者がいっぱいいた。俺も体調が良かったら他の旅行者とも交流が持てて楽しかっただろうに。俺はいつも寝ている謎の人、というあつかいであまり人は近寄って来なかった。
クミコハウス以外にも日本人宿といわれるホテルはいくつかあるが、インドに来てまで日本人に会いたくないと、敬遠する旅行者も少なくない。しかし、インドや英語に疲れた旅行者には過ごしやすい所だ。

火葬場(ガート)であるが、ここは本当にややっこしい。怪しい奴らがうようよしているし、また、神聖な場所なのであまり長時間見るのは現地の人からはいい気がしないらしい。よく考えたら火葬場見物って趣味悪いし、あまり興味本位でそういうところに近づくべきではないのかもしれない。

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